金融機関であるYに雇用されるため採用選考に応募したXが、Yに対し、〔1〕B型肝炎 ウイルスに感染していることのみを理由としてXを不採用としたこと、ならびに、 〔2〕Xに無断でウイルス感染を判定する検査及び精密検査を受けさせたことがいずれも 不法行為であるとして損害賠償を求めた事案で、裁判所は、〔1〕XとYとの間で始期付解除権留保付雇用契約は成立しておらず、また仮に、当事者が雇用契約の成立が確実であると相互に期待すべき段階に至っている場合は、合理的な理由なくこの期待を裏切ることは信義則違反になるとしたが、そのような状態には至っていなかったとして、不採用による 不法行為を否定する一方で、〔2〕B型肝炎についての最初の検査、ならびに再検査 それぞれについて、調査の目的や必要性についてXに対して何らの説明もなく、 Xの同意を得ることもなく、B型肝炎についての検査を受検させたYの行為は、 いずれもXのプライバシーを侵害する不法行為であるとし、 Yに対し、損害賠償を認めた事例。 労働基準法2章
民法709条
民法710条
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